あの人に会いにいく 山田 真佐江さん

暮らし |  ほのぼのスローライフ型 かじつ

いつみてもその人らしくいて、一緒に過ごしていると心が落ち着く…。素敵なあの人はどんなふうに暮らしてる? シリーズ「あの人に会いにいく」では、広島で暮らしのてまひまを楽しむ“素敵なあの人”に会いに行きます。第1回は、暮らしスタイリストの山田真佐江さん。通称まあさんの「自分らしさのある空間」に触れてきました。

ほのぼのスローライフ型の方にオススメ

もっと「好き」に素直になっていいんじゃないかな。
暮らしがもっと心地よくなると思うんです。

ゲスト:山田 真佐江さん

広島市中区。インテリアコーディネーター歴26年、2級建築士。イタリアのトップブランドCassina・IXC広島のマネージャーとして企業・個人住宅へのインテリアコーディネート提案、ショップVMD、 スタッフ育成など実績を積み東京本社勤務を経て現在「PinoStyle」暮らしスタイリストとして活動中。コーディネート業務・企業等での講演・永年の経験をベースとして、既成概念に捉われない独自のユニークな発想で、理想の暮らし実現に導く空間コンサル・模様替えアレンジも好評。

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好きなモノ同士は
不思議となじむ

広いダイニングテーブルの上に、両手で抱えるほどの大きさのボウルとガラスの花瓶にいけられたお花。シンプルさが静ひつな空間をつくっています。そのボウルとの出会いをたずねると、「よくわからずに手に入れたのよ~」とのこと。木製だと思っていたそれは、たたくと金属っぽい音がします。

「どこの国のものだったかなぁ」との笑い声に、部屋の空気が柔らかくなります。

「お待たせ~」と出してくれたお茶は、まあさんが10代のころに手に入れた砥部焼のそばちょこに、おやつを運ぶトレイは建築現場で処分されそうになっていたもの。

一方では、世界的に著名なデザイナーや建築家による選りすぐりの家具を使い込んでいます。どれも手に入れた経緯やタイミング、場所が異なるのに、最初からコーディネートされていたかのようにしっくりとなじんでいます。

コーディネートのコツを聞くと、家にモノを招き入れるときにそのモノの国籍やデザインのスタイルなどジャンルにこだわらず、直感を頼りに永く愛せる大好きなモノ、物語のあるものを吟味しているそう。

「好きなモノは共通項があって不思議とマッチするから大丈夫。こうじゃなきゃというルールはないから、自分の好きに素直になってもっと自由に楽しんでいいんじゃないかな」

オシャレな空間で暮らしたいと思いながらも、「センスがないから私にはできない」とあきらめていた私にとって、「好きなモノ」という視点はとても新鮮でした。

大切にしているのは、
ほんもの素材と物語

まあさんが空間づくりで大切にしていることは、ほんもの素材と物語。

ほんもの素材とは、木や木綿、麻、ウールなどの質の良い自然素材。たしかに空間を見渡すと、ケミカルなモノではなく無垢の木がふんだんに用いられていることに気づきます。

「100年をかけて成長した木は、テーブルになってからも100年生きると言われています。壮大な物語を持つ木にはエネルギーがあって、一緒にいるだけで力をもらえます」。

自然素材は暮らしの中で私たちと一緒に年を重ねて、使う人の癖が染み込み、時には傷がつき、暮らしの足跡を刻み込んでいきます。同士のような存在なのかも。

手に入れた時よりも、使い続けることで味わいを増す自然素材。愛着がわき、手をかけたくなります。

自然素材には使い手の使い方になじむ柔軟性や使い続けられる強さ、そして大切にしたくなる価値を持っている、と感じました。

あるものを工夫する、
既成概念をはずす

住宅だけでなく、店舗やオフィス空間のアレンジ、アドバイス、モデルハウスのインテリアコーディネート提案、建築士の知識をベースにリノベーション・リフォームのプロデュースまで、あらゆる暮らしの空間をスタイリングするまあさん。

スタイリングでは、そこにないものに目を向ける前に、今あるモノを最大限に活かしきることを考えるそうです。

今あるモノを工夫するためには、既成概念をはずすとアイデアは無限大に広がっていきます。

例えば暮らしの中で、大皿は大勢が集まる時にしか使えないから普段はしまっているとします。

そんな大皿の上に小皿を寄せ集めれば、普段と違うテーブルコーディネートに。ジャンルや用途にしばられることなく、新しい使い方を見つけて出番を増やします。

「普段使いとお客様用を分けるよりも一緒にした方が、持ちモノの数も減り、片付きやすくなりますよ」。

また、「高級なお皿でも、毎日使えば割安に感じない?」とにっこり。洗練されたスタイルの中に散りばめられた生活のにおいが、心地のよさをつくります。

まあさんの暮らしの
てまひまは?

そんなまあさんの暮らしのてまひまは、日々の食事を木のトレイにのせて出すこと。お皿やお椀を配置して、箸置きをセッティング。何気ない食事に特別感が生まれます。

忙しい毎日の合間に、マグカップとおやつをトレイにのせて自分のための時間を過ごせたら心がほぐれそうだと思いませんか。早速、トレイを買いに行こうと決めました。

「それ、いつまでにする?」とまあさん。

期限を決めることで、「いつかそうなればいいなぁ」という夢を、「今」に引き寄せます。

いつかではなく今ここ、自分の今の気持ちを大切に。

「空間はそのひとの暮らし方、生き方そのもの」というまあさんの言葉が腑に落ちました。