リトアニアリネンの素朴さに触れて、正直に生きたいと思うようになりました。

暮らし |  ほのぼのスローライフ型 かじつ

いつみてもその人らしくいて、一緒に過ごしていると心が落ち着く…。素敵なあの人はどんなふうに暮らしてる?
シリーズ「あの人に会いにいく」では、広島で暮らしのてまひまを楽しむ“素敵なあの人”に会いに行きます。
第2回は、リトアニアリネンの専門店「リトル リトアニア」オーナーの奥野希枝子さん。
希枝子さんがリトアニアリネンに恋した理由、またリネンを取り入れてから暮らしがどのように変わったかをお聞きしました。

ほのぼのスローライフ型の方にオススメ

体が喜ぶリネン、その心地
よさ を家族にも

ゲスト:奥野希枝子さん

宮崎県出身、大学進学で広島に。生命保険会社に勤め、出産を機に退職。幼稚園を卒業するまで専業主婦。リトアニアリネンに魅せられて、2010年に夫婦でリトアニアリネンの生地を扱う会社「㈱OKU」を立ち上げる。現在は拠点を大阪に移し、実店舗は阪急うめだ本店、三越広島店にて「リトル リトアニア」を運営。

リトル リトアニア

手作りのものが好きで、作ることも好きだったという希枝子さん。息子さんの服を作るための材料を買いに訪れた手芸店で、リトアニアリネンに出合ったそうです。他の布とは違う風合いに一瞬で魅せられたそう。リトアニアリネンでつくった子供服を息子さんも気に入り、リネンの魅力を深堀りしていく日々が始まりました。

気が付けばご夫婦でリトアニアリネンの生地を扱うネットショップを立ち上げ、思い切ってリトアニアの繊維工場に直接営業。リトアニアとのつながりを少しずつ増やしながら、リトアニアの子供服メーカーの代理店となり、広島市に実店舗を構えました。今では拠点を大阪に移し、大阪の阪急うめだ本店に常設店、三越広島店1階にある、物語のある暮らしを提案するアイテムを扱う「100年アパートメント」を運営。店頭にも立っています。

ご自身の暮らしにも、カーテン、寝具、タオルなどをリネンでそろえているそう。「リネンと出合って、体に喜ぶものを取り入れたいという気持ちが強くなりました。その心地よさを家族にも体験してもらいたいって思ったんです。食べものも、できるだけ添加物のないものを取り入れるようになりました」。素材を選ぶことは、生活の質を上げることにつながると実感したそうです。

リネンの魅力は、
植物の力そのもの

リネンとは、フラックス(亜麻)という植物でつくられた天然素材。人類最古の天然素材の繊維とも言われています。リトアニアリネンとは、ヨーロッパの北東に位置するリトアニア共和国で織られたリネンのこと。リネン繊維業はリトアニアの主要産業のひとつで、国内にはリネン工場がたくさんあります。生活にも息づいていて、テーブルクロスや寝具、嫁入り道具としてリネンを代々受け継ぐ文化もあるそうです。

詳しく教えてくださる希枝子さんの優しさに甘えて、思い切って質問。「リネンと麻とは違うものですか?」。私は、呼び方の違いなのかなと思っていたのです。

「麻」とは植物から作られる繊維の総称で、フラックスを原料とするリネンは麻の一つ。そのほかに麻の仲間として、麻袋などに使われるジュート(黄麻)、ロープや衣類に使われるヘンプ(大麻)などがあります。リネンは麻の仲間なのですね。

リネンの魅力は、「水を吸い上げて命をつなぐ植物のように、リネンは吸水性がとても高く、ぬれてもすぐに乾きます。丈夫で長持ちですしね。そして、人の細胞に近いので体に優しいんです。ヨーロッパでは古くから下着に使われてきました。ミイラを巻く布としても使われていたそうですよ」。何となく感じていたリネンの心地よさの理由が、一つひとつ解明されていきました。

リネンのように、
素直に、まっすぐに

リネンの中でも、希枝子さんが特にリトアニアリネンを好きな理由は「素直さ、素朴さ」。それはリトアニアの人たち、その暮らしと共通しているそうです。

「リトアニアの人たちは、とてもシャイ。大げさなことを言いません。そしてリネンを代々受け継いだり、古い建物をアレンジして住んでいたり、ものを大事にする堅実な国民性があります」。自然の力に向き合い、認め、一緒に生きていく。まっすぐでシンプルな暮らしに触れ、「私の生き方もシンプルになりました」と話します。

趣味が仕事となり、順風満帆にみえる希枝子さんも、子育てをしながら自由に働けることがうらやましかったり、仕事を始めても働き方を悩んだり、漠然とした不安に襲われたりと、うつうつと過ごしていた時期もあったと言います。

「今は自分のために動けない方も、人として成長し続けていたいという思いを忘れないでほしい。たくさん種まきをして、大事に育てていれば、すぐに結果はでなくても必ず何かにつながります!」希枝子さんの言葉に、明日がますます楽しみになりました。

希枝子さんのてまひまは

2020年初めに訪れたリトアニアの友人宅での朝食が忘れられないという希枝子さん。友人が焼いてくれた、穀物がたっぷり詰まったリトアニアの伝統的な酸味のある黒パンと、ホームメイドの蜂蜜。シンプルで自然由来の身体に良いものをという思想が根底にあるリトアニアの食生活から、自分自身の食へのヒントをたくさんもらっているそうです。

仕事柄出張も多いため、「自宅にいる時は出来るだけ良いものを家族にも食べてもらいたくて、食卓作りにもこだわっています」とのこと。写真はある日の食卓。リトアニアリネンのテーブルクロスを敷き、リトアニアの木製のプレートやキャンドルスタンドを並べ、リトアニア料理を盛り付けて…。静かで心落ち着く食事の風景です。