五感を刺激する木のおもちゃで
広島の森のこと木の魅力を伝えたい

ひろしまの木 |  ほのぼのスローライフ型 かじつ

子どものころのお気に入りのおもちゃは何ですか?私が最初に思いつくのは積み木。正方形や長方形、三角や丸を組み合わせて、家や滑り台をつくったり、食べ物に見立てておままごとをしたり。手が届かなくなるほど積み上げて、一気に倒した時の爽快感は忘れられません。そんな思い出に浸りながら、木のおもちゃ専門店「たむろ木材カンパニー」を訪ねました。

ほのぼのスローライフ型の方にオススメ

木の温もりが心地いい、
木のおもちゃ専門店

広島駅から歩いて約5分、木製のキリンの看板に案内されて「たむろ木材カンパニー」に到着します。店内の壁一面に、赤ちゃんが握って遊ぶ小さなおもちゃや連結させて遊ぶ列車、輪投げや木馬、ドールハウスやままごと用のキッチン、フォトフレームやカードスタンドといった木製品が所せましと並んでいます。

木そのものの色味や模様をいかしたデザインや丁寧に手入れされた滑らかな曲線を見ていると、心の凝りがほぐれていくのを感じます。子どもたちは、まるでおもちゃ箱のような空間に興奮してしまうかも。

同店の代表を務めるのは田室名保美さん。3人の子育てをしながらご主人が経営する木材店を手伝っていたとき、木材店のお客様として木工職人の丸山正吉さんに出会いました。

丸山さんがお子さんに木のおもちゃを作ってくれていたそうで、「温もりのある木のおもちゃに子どもたちは大喜びで、私もいただくたびに嬉しかったんです」と言います。その丸山さんが引退されると聞き、「この木のおもちゃを引き継ぎたい」との思いでお店をオープンしました。丸山さんのデザインをいかしたおもちゃを一つずつ製品化し、名保美さん自身も商品開発をしてアイテムを増やしています。

木材卸問屋ならではの求めやすい価格で、木のおもちゃをはじめ端材加工品、木のオーダー家具、ドア・窓枠等の製作なども扱っています。

大人も子どもも
五感をフル稼働!

「木は種類によって重さが違うんですよ」。 名保美さんに誘われて、同店の積み木を一つずつ両手に持ち、重さを比べてみました。「サクラは重いんですね!」と発見。

6~8種類の木を使った積み木は一つずつ色が異なり、その触り心地や香り、たたき合わせた時の音の高さ、その反動で感じる木の堅さの違いにも気づきます。

「内緒ですが、舐めても味が違います(笑)。木のおもちゃは五感を刺激してくれるんです」と名保美さん。

積み木をさらに発展させたおもちゃが「おつきさまパズル」。

三日月型の積み木に、円柱や星型の積み木を積み上げて遊びます。三日月がゆらゆらと揺れるので、形と重さのバランスを見ながら慎重に積み上げていきます。開発者の名保美さんでさえも毎回成功するとは限らないとか。

一方、子どもたちが予想外の積み方をして成功させるなど、大人も子どもも対等に楽しめます。バランスを崩して積み木が落ちてしまっても、木のおもちゃのぶつかり合う音は柔らかくて耳にキーンときません。木のおもちゃならではの魅力ですね。

2018年には「おつきさまパズル」はウッドデザイン賞を受賞しました。

暮らしの中に木材を、
広島の森を考える機会を

木製品の製造や販売を通して、森の環境や林業に関する取り組みにも関心を寄せています。

2017年に「広島市森づくり推進懇談会」の委員となり、広島の森を守る人たちとの交流も始まりました。すると見えてきたのが、広島の森が荒れているということ。

「広島県の森はこれから10年、成木が使える時期です。しかし、十分に活用されていません。次第に人の手が入らなくなり、森が荒れてしまうという悪循環が起こっています」

森は私たちの生活を守るために、さまざまな役割を果たしています。資源の供給だけでなく、張り巡らされた根で災害を防いだり、きちんと間伐され整備された森は雨水を蓄えて洪水を起こりにくくします。

「自然環境のためにも木材を正しく使い、木材の使われる道筋を正しく伝えたい。森の木を伐採し木製品ができるまでの木の一生や、それに関わる人たちの人生、そんな背景を大切にしたい。木製品とともにいつまでも穏やかな時間が過ごせますよう、心を込めて木製品を広めていきたいです」と名保美さんは願います。

一般社団法人パパフレンド協会が主催する「木育コンシェルジュ養成講座」にも協力し、木と関わる体験を通して木の大切さ役割を学ぶ「木育(もくいく)」の普及にも力を入れています。

失敗もダメもない、
自由に楽しむ木工教室

同店では、こども工作教室を実施しています(予約制)。

オリジナルの工作キットは夏休みの宿題に大人気。貯金箱はパーツを木工用ボンドで貼り合わせて、自由に色をつけていきます。

同じキットを使っても、作り手によって出来上がる作品はさまざまです。自分で設計図を描いて、一から作品を作る子どもたちもいます。道具も材料もそろっているので、作りたいものを自由に作ることができます。

「木製品は失敗しても崩して作り直せばいいし、汚れたら磨いたり削ったりといくらでも手直しができます。ダメがないんです。必ず何かができます。その達成感や満足感は、子どもたちにとっても、いい経験になるんじゃないかな。いったいどんなものができるのか、私も毎回楽しみにしています」と笑う名保美さん。

ぜひお子さんと一緒に、またはあなた一人でも、木の温もりがあふれるこの場所を訪ねてみませんか。想像以上の癒やしの時間、クリエイティブな時間を楽しめます。

協力いただいた、
たむろ木材カンパニー株式会社
さん

住所広島県広島市東区大須賀町12-10
連絡先Tel 082-263-6648
サイトhttps://tamuro-mokuzai.jp/