たった5分でいい。ベビーマッサージがもたらす家族とのあたたかいじかん
毎日が目まぐるしく過ぎていく子育ての日々。時には「今日は何もできなかった…」と落ち込むこと、誰しもありますよね。正解も不正解もないからこそ悩む子育ての日々。そんな時、ちょっとしたことで日々が愛おしく感じられる、そんなキッカケはきっと皆さんのすぐそばにあるかもしれませんよ。私の場合は、ある一つの詩がキッカケとなりました。
ふと思い出す、
あのころの愛おしい記憶

私は3人の娘を育てています。今ではそれぞれ18歳、13歳、11歳になりました。今でこそ娘たちそれぞれが家事を分担してくれるようになり、ずいぶんと楽になったと感じることも多くなりました。
ですが、三女が生まれて1~2年の間は、毎日が本当にドタバタ。夫が帰ってくるのは子どもたちが寝たあと。私一人で3人をどうやってお風呂に入れていたのか…?寝かしつけはどうしていたのか…?うまく思い出せません。そのくらい毎日が慌ただしく過ぎていきました。
そんな中でも、頭の隅のほうにしっかりと残っている記憶があります。それは子どもたち3人に、毎日のようにしてあげていたマッサージの記憶。
当時実際にベビーだったのは三女だけですが、今日は脚だけ、今日はお腹、また別の日は背中というふうに、短い時間ですが3人順番にふれてあげていました。
「マッサージしよっか」と声をかけたときの、子どもたちのうれしそうな顔、マッサージをしてもらっているときのうっとりと気持ちよさそうな顔、そして子どもたちのもちもちの肌のあたたかさ。それは今でもふとしたときにたびたび思い出し、そのたびに愛おしい気持ちが心にふわっと広がります。
意外と知られていない、
ふれあうことの効果

当時毎日のようにマッサージをしていたのには理由があります。
それは三女が6カ月のころにベビーマッサージに出会っていたから。「これは絶対いいものだ!」と直感的に確信した私は、世のママたちに伝えたいという気持ちに突き動かされ、ベビーマッサージを学び始めました。それを我が子で即実践していたのです。
その後ベビーマッサージの先生になり、伝えることを仕事にして10年が経とうとしています。
ベビーマッサージの効果はたくさんありますが、肌へのタッチ(ふれること)は血の巡りを良くし、体を温めます。
愛されていることを肌から感じ、自分が大切な存在なんだということを知るきっかけになります。
そして幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンを分泌します。これは親子の愛着を深めたり、ストレスに強くなったり、記憶力がよくなったりなどの良い作用がたくさんあることが知られています。
大好きな人からの心地よいタッチは、ほっと安心して、体があたたかくなり、心も癒やされる。それはこのオキシトシンのおかげです。
あまり知られていませんが、オキシトシンはふれられている側だけじゃなく、ふれる側も同様に分泌されます。
幼いころにふれてもらった記憶は成長とともにどんどん薄れてはいきますが、完全に忘れ去られることはなく、脳の深い部分でずっと記憶として残り続けるそうです。この幼いころの記憶がその後の成長の過程で、だれかに触れてもらったり、心地よいものに触れたときなどにふとしたきっかけでよみがえり、様々な困難を乗り越えるときの心の支えになってくれると言われています。
「子どもにはたくさん触れてあげてね」ということはよく耳にすると思いますが、それはこうした理由があるからなのです。
時間は短くても
何歳でもいい、
実際にふれてみて

ふれられることの素晴らしさは、赤ちゃんだけに限定されたことではありません。脳がおおむね発達する3歳ごろまでのスキンシップが健やかに成長するうえで大切だということは事実としてありますが、オキシトシンの効果は何歳になっても同じです!
保育園や幼稚園に行くようになっても、小学生でも、中学生でも…大人になっても。
何歳になってもマッサージをしてもらうって、気持ちがいいものですよね。
例えば、服の上から背中に手のひらをぴたっと当ててみてください。
だんだん手のひらと背中がじんわりとあたたかくなってきませんか?それはふれること(ふれられること)で身体が反応し変化が起きている証拠。たったこれだけでふれることの効果を感じられます。
そしてゆっくりとやさしくなでおろしてみてください。ふれる側もふれられる側もなんとなく心が落ち着いてくるでしょう。
最後にパタパタトントンと軽く叩いてみてください。優しい振動が身体に心地よく響きます。
このくらいなら、5分もあれば十分。終わったら交代してふれあいっこしてみるのもおすすめです。それでも10分あれば大丈夫。これだけでも意外と気持ちよく、身体が温まります。身体が温まると不思議と心もほんわかしてくるものです。本当に時間がないときは、ハグでも、手を握りながらのおしゃべりでもいいんです。
人と距離をとらなくてはいけなくなり、触れ合うことが難しくなった今だからこそ、せめて家庭の中では、意識してふれあってみませんか?ふれあうことで、身体がほぐれて心がゆるむこと、身体があたたかくなって心が満たされること、ぜひ感じてみてください。
きっと家族ひとりひとりが今よりもっと愛おしく感じられると思います。
そして、家族のコミュニケーションが今より少し豊かになると思います。
子育てのじかん
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