素敵な飼い主さんになろう! ペットと暮らす住まいづくりのヒント

コロナ禍で家で過ごす時間が増え、ペットの犬猫がより身近に感じられた、癒やされたという方は多いのではないでしょうか。私たち飼い主に幸せをもたらしてくれる犬猫ですが、果たして犬猫は幸せに暮らせているのでしょうか。家庭動物住環境研究家 金巻とも子さんに、犬猫と暮らす住まい作りのヒントを教えていただきました。

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家庭動物住環境研究家:金巻とも子さん

一般社団法人ペットインテリア協会 アドバイザー。一級建築士事務所かねまき・こくぼ空間工房 主宰。家庭動物(ペット)との暮らしをテーマに住環境コーディネーターとしても活動。住宅設計では、人と動物の住行動を踏まえた「隠れ家」空間と空気環境を重視した設計を得意としている。「犬猫には、必要なものを過不足なく」がモットー。

一般社団法人 
ペットインテリア協会

人と犬猫との違いを
尊重する

室内で飼うことが一般的となった犬猫。犬猫がモノをいじったり壊したりしてしまったとき、私たちは「触っちゃダメ!」と怒ります。しかし、彼らに複雑な言葉は通じません。飼い主さんが興奮していることは分かっても、怒られている内容は分かっていません。

かまってもらえてうれしい、とさえ感じているかもしれません。ますます興奮する飼い主を見て、ペットも混乱してよく分からない行動をしてしまいます。怒られたペットは次第に自信をなくし、不安が強くなり、吠えやすくなったりお留守番ができないという問題も起こりやすくなります。

犬猫と私たちは、モノの考え方、サイズや体の動きも異なる別の生き物。違う動物と一つの空間をシェアしているのです。ペットとの快適な住まいを考えるには、人として快適な空間がペットにとってどうなのか、という視点が必要になります。

猫にとって
カーテンは遊べる布

猫が壁をよじ登る、つめを研ぐ、犬が無駄吠えする、壁におしっこするといった困りごとに対して、これまでは腰壁や撥水性のある建材を使うなど仕上げでの単純な工夫ばかりが注目されてきました。しかし、これは対処療法であって、根本的な問題が解決されていないので繰り返されます。

そこで、根本的な問題を解決するために、犬猫の視点(モノの見かた)で室内を見てみましょう。例えば、カーテンは人にとっては光を遮り、閉じて開いて使うモノです。しかし犬猫から見ると、カーテンは垂れた布、遊べるモノとなります。じゃれる、登る、引き裂くという可能性が生まれます。

人と犬猫では、室内のモノの用途や意味、モノが示す行いの可能性が異なることが分かります。犬猫がその行動をした理由が見えてきませんか。猫がカーテンを登って困っているなら、登ろうとは思わない素材や形のカーテンに変えればいいわけです。猫が爪を研ぐのに困っているなら、適切な場所に適切な爪とぎの設備を用意しておけばいいのではないでしょうか。

犬猫にしてはいけないこと、してほしいことが分かりやすい状況をつくる、つまり家のルールを本能的に分かるようにする工夫で、犬猫の行動を誘導しトラブルを防ぎます。

犬猫はとても大きな動物と
暮らしている

犬猫が楽しく快適に暮らすには、まずは安全で安心できる環境があることが大前提です。犬猫にとって、人はすごく大きな動物です。あなたが自分より何倍も大きな動物と暮らすことを想像してみてください。大好きな存在であっても、その大きな動作に驚いたりと負担は大きいですよね。

犬猫は大きな動物(=人)に上から見下ろされると恐怖感を覚えます。見上げなくとも顔が見られる程度に少し離れると安心して向き合えます。私たちも真正面で直視すると緊張しますが、斜めに視線をずらすと場がなごみますよね。人との間、視線方向を考慮して、お互いが緊張しない場所にハウスを設けます。犬では基本的な場所となる「ハウス」の位置を変えただけで、問題になる行動が少なくなるケースがよく見られます。

さらに、犬の「ハウス」は、自分から入るお気に入りの「隠れ家」にしておきましょう。犬にも猫にも「引きこもりスペース」が必要なのです。もぐり込むような狭い場所です。犬猫が犬猫らしくいられる場所、とっさの時に逃げ込む「本能的に選ぶ」場所とします。そして、この場所にキャリーバッグやクレートを置いて日常的に隠れ家として使っておくと、災害時にはバッグに逃げ込んでいるので、バッグごと飼い主さんとともに避難できます。避難所生活でも安定して過ごせますよ。犬猫は私たちのように防災訓練ができません。飼い主として、日ごろから防災の面を意識した犬猫との住まい方を考えておきましょう。

犬猫、人、家の三者が楽で
楽しい「三楽暮の住まい」

飼い主さんから犬猫への「こうして暮らしてね」「こうするといいだんよ」という指示が分かりやすい住まいは、犬猫のストレスが少なく、ストレスから起こるトラブルも少なくなります。家が傷つきにくいので汚損対策よりも美観や趣味を追求でき、家も楽しくなります。犬猫、人、家の三者が楽になって、楽しい暮らしを実現できます。この暮らしを「三楽暮(さんらく)」と名付けました。

犬猫を取り巻く環境の良しあしを決めるのは、犬猫のそばにいる飼い主さん。犬猫は飼い主さんと一緒に仲良く暮らしたい、飼い主さんを理解したいと思っています。三楽暮の住まいで、犬猫のポジティブな気持ちを後押しできる素敵な飼い主さんになってくださいね。

暮らしのてまひま 
編集部より

新型コロナウイルス感染状況を鑑み、2021年5月16日(日)に予定しておりましたペットインテリアフェアの開催を延期とさせていただきます。
※開催日程が決定次第、再度お知らせいたします。

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