この出会いを大切に。こころを整える茶道のお話。

/ / じゅん

「和敬清寂」「侘び寂び」「一期一会」「日日是好日」
みなさんはこの言葉を聞いたことがありますか? この言葉は全て茶道に関連する言葉です。今回は日本の風土が育んできた伝統的な美の文化。茶道についてご紹介します。

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一度しかない出会いを
大切に

茶道とは日本伝統の、湯を沸かし茶を点て振る舞う行為のことで「茶の湯」とも言われます。茶道ではお茶の点て方以外にも、お茶のいただき方はもちろん、礼の仕方や立ち方、歩き方から座り方まで様々な決まり事があり、これを作法と言います。

茶道や作法と聞くと、何となく難しそう敷居が高そうと感じてしまいますよね。

一期一会という言葉は「一生に一度の機会」という意味です。

お茶会では、季節や集まる人によって亭主がテーマを設定し、そのテーマにあった道具やお菓子を選び茶室を設えるなどの準備をします。

季節が変わり、人が変わり、テーマが変わる。ですので、全く同じお茶会が開かれることはありません。

亭主は誠心誠意を込めて準備を整え、お客様はそのおもてなしを受け取る。

お茶会ではもちろん作法やマナーも大切ですが、心を通わし、一生に一度のこの時間を一緒に楽しむことこそが一番大切なことではないかと私は感じています。

茶道の歴史

中国から日本に茶が最初に入ってきたのは平安時代。ですが、この時はまだ薬としての意味合いが強かったようです。その後、室町時代に村田珠光(じゅこう)という僧が我儘(わがまま)と我執(自己執着)を戒めた精神的な茶の世界を作りだしました。その精神を引き継ぎ、武野紹鷗(じょうおう)が美の世界を見極める審美性を加え、つつましく簡素なものを優美とした「わび」の世界観を確立し大成したのがあの有名な千利休です。

利休の確立した茶の文化は子供や弟子に引き継がれ、多くの流派に分かれ独自の文化を形成していきました。その数は500もあると言われています。その中でも「表千家」「裏千家」「武者小路千家」は三千家と呼ばれる代表的な流派です。同じ茶道といっても、流派により作法は異なるので他の流派のお点前を見るとこんなに違うんだなぁと感じることも多いです。

ちなみに、私の習っている裏千家は学校の授業にも取り入れられるなど、茶道人口の中で一番多い流派です。

みなさんが茶道でイメージするお茶をふわふわに泡立てるのは主に裏千家の作法になります。

お稽古って
どんなことをするの?

流派や先生によってお稽古の流れや内容は異なると思いますが、今回は私の通っている教室のお稽古をご紹介します。

1回のお稽古でお茶を点てる亭主側と、お茶をいただく客側の両方の稽古を行います。時間は合わせて1時間程度です。

床の間の拝見・ご挨拶

お茶室に入る時にはまず床の間を拝見します。

床の間は掛け軸・香合・花の3点が飾ってあります。お正月などには特別な飾りがされることもあり、季節や趣を感じやすい部分です。

床の間を拝見した後、先生にご挨拶をして実際の稽古にうつります。

お点前の稽古

①準備

水屋でお稽古に使う道具の準備をします。

使う道具やセットの仕方の基本形はありますが、その日に行う稽古の内容によって普段は使わないような道具があったり、最初からお茶室の中に準備しておいたりと手順は様々です。

②道具を運ぶ

お茶室の入口でお点前を始めるご挨拶をした後、使う道具を運んでいきます。

1回のお点前で使用する道具は結構多く、道具を運ぶだけで2~3往復ぐらいはします。

お茶室に入る時は右足から、出る時は左足からなどの足さばきの作法は頭で考えると混乱してしまうので身体に染みつくまで意外と難しい部分でもあります。

③お点前

お点前は使用する道具を清め、お茶を点て、お客様にふるまい、使った道具を片づけるまでが一連の流れです。

まずは「盆略点前」という初級の稽古から始め、許状を取得することで教えていただける点前がどんどん増えていきます。

私も行えるお稽古の種類は限られていますが、先生でもまだまだ学ぶことがあるというくらい茶道は本当に奥が深いものです。

お茶をいただく稽古

①お菓子をいただく

お菓子はお茶と一緒に食べるもの。というイメージがあるかと思いますが、茶道の場合は亭主が道具を清めお茶を点てる直前のタイミングでお菓子を勧められます。

私の教室では、お菓子は先生が広島の色々な和菓子屋さんで購入して準備してくれており、私はこのお菓子を楽しみに稽古を続けているといっても過言ではありません。

②お茶をいただく

お菓子を食べ終わったくらいのタイミングでお茶を勧められます。

茶碗の正面を避けるために時計方向に2度まわしてからいただきます。

お菓子で甘くなった口の中が、少し苦みのあるお茶を飲むことでさっぱりするのがたまりません。

季節によって他の生徒さんも一緒に様々な茶事や茶会をすることもあります。

1月には初釜といって、懐石とお菓子・お茶を2種類いただくフルコースのような会をすることもあれば、4月には桜の木の下でお花見をしながら茶会をすることもあります。

同じ教室に通う生徒さんは、性別や年齢もバラバラです。

男性の生徒さんにお話を聞くと、お茶を習っていることが仕事相手との会話のきっかけになったり、忙しい日々の中で良い息抜きになっているそうです。

また、一番若い生徒さんは何と小学生。他の教室でも、お父さんと一緒に通ったり、おばあさんが通っていて将来は一緒に通うんだと決めている幼稚園のお子さんなどもいらっしゃるそうです。

先生により何歳からお稽古を始められるかは違うと思いますが、茶道を通じておもてなしの心や、道具を大切に扱うこと、丁寧な動作やマナーが学べるのでお子さんの習い事としてもピッタリではないでしょうか。

こころ穏やかに、
精神集中を楽しむ

2018年に公開された黒木華さん主演の「日日是好日」という映画があります。

この映画は、主人公がいとこに誘われ、何となくの気持ちで茶道を始めるがお稽古を続けるにつれどんどん茶道の世界に引き込まれていく、という姿が描かれています。

主人公が稽古を楽しむきっかけとして「音の違い」に気づくシーンがありました。

茶道ではお点前の中でお湯とお水を両方使うのですが、茶碗に入れる時にお湯とお水では音が違うのです。私も映画を観るまでそのことに気づいていなかったのですが、意識してみると確かにと感動したのを覚えています。

お点前の中にはいろいろな音が溢れています。ですが、その音は集中していないと聞き逃すぐらい小さなものです。背筋を伸ばし、点前に集中することで精神が落ち着き、モヤモヤしている時や嫌なことがあった時も気持ちが落ち着くのを感じることができます。

忙しく慌ただしい毎日の中で、たまにはこんな時間を持ってみるのもいいのではないでしょうか。

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