畑仕事レポート。「育てる楽しみは人生を2倍にする」
ふかふかの土に種をまいて「まだかまだか」と双葉を待ち、手をかけるとどんどん大きくなっていく、期待に応えて頑張る姿は愛おしく感じます。「育てる楽しみは人生を2倍にしてくれる」と話すのは、山根木材リモデリングのシニアパートナー津田真悟さん。津田さんがお客様と一緒に、同社の社員も巻き込みながら取り組む畑仕事の魅力を聞きました。
お客様と一緒に
伊藤先生の畑へ

安佐南区の広島西風新都の近く、山根木材とは40年来の付き合いのある動物病院の元院長の伊藤一志先生の畑があります。秋晴れの休日の朝、津田さんをはじめとする山根木材の社員、畑仕事に興味があるお客様、7人が集まりました。

伊藤先生は若いころから畑仕事が趣味で、野菜作りだけでなく花も、果樹も育てます。例えば、プラムの木は20本もあり、伊藤先生一人では手が回らなくなり近所の人にも手伝ってもらうほど。趣味の域を超えた規模で、趣味の畑仕事に取り組んでいます。
津田さんは、60歳を過ぎて実家のある安芸高田市の畑で米づくりをしています。伊藤先生にならってタマネギや白菜、レタスを種から苗を作って育て、果樹栽培にも取り組んでいます。津田さんにとって、伊藤先生は畑仕事の師だそうです。


伊藤先生から「イチジクできたよ」「柚子をとりにおいで」と声がかかるようになり、摘果や収穫を手伝って、収穫したものをお客様に配ってきました。ほかにもカキ、プラム、スモモなども実ります。どれも出荷されることはないし、果樹は成長する一方です。
畑仕事の後は
お土産いっぱいに

伊藤先生が一人で手掛けてきた畑仕事は、もはや一人では手が回らない規模になりました。伊藤先生自身も高齢となり、畑仕事を長時間することも難しくなってきました。しかし、果樹は摘果しないと大きく育たないし、畑周りの雑草は放っておくと森のようになってしまいます。
伊藤先生と畑の様子を心配した津田さんは、お客様の中で農作業に興味があるご家族や、社員を連れてこの春から、定期的にお手伝いにいくようになりました。トラクターに乗って畑づくりに取り組み、花木の剪定や果樹の摘果、肥料を与えたり。この日は、大根、カブの種をまいたり、サラダ菜、ミズナを間引いたり。畑の周りにあるイチジクの木15、6本から実を収穫。伊藤先生が育てたアスパラガスの苗も「持って帰ってくれ」とのこと。持ち帰って畑に植えるとよく育つそうです。

畑仕事をしながら、その食材の調理方法にも話が及びます。食べ方をよくご存じなので、教えてもらいます。伊藤先生はできのよい野菜を差し出して、「持って帰りなさい」というばかり。帰るときにはお土産いっぱいです。
伊藤先生の農園を
守るために

とにかく伊藤先生は育てることが好き。種から育てて、その土地に合わせてどうやったら大きくなるか、育てやすいかを研究してきました。伊藤先生の畑は実験場。試行錯誤した工夫のあと、その結果が目の前にあります。畑仕事を成功させるヒントの宝庫です。「何かを育てる方法は、誰も何が正しいかは分からない。やってみて成功すればその方法がよかったと分かる。その繰り返し。畑仕事を始めたい、実際にしている人には、勉強になることがたくさんあります」と津田さん。そして「この場所をなんとか残したい」という思いが一層、強くなってきました。
このような経緯から、月1回、お客様や社員と一緒に定期的に畑仕事をすることに。さらに頭の中には、伊藤先生の畑の管理を山根木材の福利厚生にしてはどうか、施主様をお招きする感謝祭をしてはどうかといったアイデアが浮かんでいます。
野菜や花の成長が
自分を元気にしてくれる

伊藤先生に学びながら、畑仕事を続けてきた津田さん。畑に座ると、野菜の声が聞こえてくるようになったそうです。「水をくれ、土をかけてくれってね。それにこたえると、野菜もこちらの期待に応えて大きくなってくれる。野菜、花、果実を元気にすると、おのずと自分も元気になれる」と畑仕事の魅力を語ります。
さらに、「育てることが暮らしの中にあると楽しみが膨らみます」とも。成長を待つわくわく感、分からないことを知る楽しさ、試行錯誤の結果が現れる達成感。「畑仕事で人生が2倍楽しめるような気がするんです。畑にいくと楽しい、育てることが楽しい、そんな共感の輪を広げてきたい。そして、暮らしの中に楽しみを増やすお手伝いができればうれしいです」と夢が膨らみます。
今後も、畑仕事レポートをお届けしていきます。ご興味のある方は、“暮らしのてまひま”のインスタグラムにDMをください。人数に限りがありますが、畑仕事に参加可能です。
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