ママ友として子育てに寄り添いたい。何気ない日々も素敵な思い出に。
暮らしのてまひまでは、子育てのじかんというコーナーを設けて、子どもたちとのじかんがもっと楽しくなる情報を発信しています。ライターをしてくださっているママさんはなんと11人!第2回は、子育てを応援するアトリエ「カリーニ」主宰のうまやはらしほさんに会いにいきました。カリーニとは、イタリア語でかわいいという意味。うまやはらさんのお話の中には、子どもと過ごすじかんをもっとかわいくしてくれるヒントがたくさんありました。
ゲスト:うまやはら しほさん
子育てを応援するアトリエ「カリーニ」主宰。
保育士歴15年、手形アートpetapeta-art®アドバイザー、ラッピングコーディネーター、富士フィルムイメージングシステムズ㈱認定アルバム大使、アンデコールロゼット講師。これらの経験とスキルをいかして、2016年から親子対象のレッスンを開始。1000組以上の親子と、手形アートやアルバム、ロゼットづくりを通して子育てを応援している。同時に、プレ幼稚園風オープンスペースを開設。「クリスマスイベント」も好評。

職場復帰して半年、
涙が止まらなくなった朝

カリーニの主な活動は、手形アートと幼稚園要素を取り入れたオープンスペース、そしてアルバムやロゼット作り、ラッピング教室、約700人が参加するクリスマスイベントなど驚くほど多岐にわたります。
「かわいい子どもが集まるじかん、かわいいものを作るじかんが親御さんにとって癒やしのじかんになるといいなという思いで始めました」とのこと。
おいしいものを食べると機嫌がよくなるように、かわいいものを目にしたり触れたりしていると気持ちが穏やかになりますよね。

保育士として15年のキャリアを持つうまやはらさん。
育児休暇中に出掛けたマルシェで手形アートpetapeta-art®と出会い、保育園での仕事に役立てばという気持ちで講師の資格を取得しました。
職場に復帰し、手形アートも取り入れ、一生続けようと精力的に働いていたうまやはらさん。
半年ほどたったある朝、涙が止まらず動けなくなってしまったそうです。
「今思えば産後クライシスかなと思います。産前は正社員で後輩を育てながらバリバリ働いていたのに、産後は時短勤務でみんなのサポートする立場に変わりました。職場での立ち位置が難しく、また自分の子どもを預けて保育をしている状況が受け入れがたかったんです」
産前と産後の状況の変化、気持ちの変化もあって保育園を退職しました。
お母さんであるうまやはらさんが退職すると、お子さんが保育園に通うことができなくなります。
「保育園でお友達をつくったり、工作を楽しんだりする環境がなくなるのはもったいない、保育園に通わせたいって思いました。私のように、子どもをお友達と触れ合わせてみたい、幼稚園の雰囲気を体験したいと思っているお母さんいるじゃないかな」。その思いが、カリーニの出発点となりました。
お子さんが1歳になった2016年、自宅で毎月の写真撮影会を始めました。保育士のキャリアをいかして制作物でお誕生日や季節行事の背景を準備し、読み聞かせやおもちゃづくりといった工作を行うなど活動を広げていきました。参加者は友達からその友達へ、さらにその友達と、うまやはらさんとは初対面の方が自宅にくるまでに広がってきました。2019年に、西区福島町にアトリエを設けました。
成長をおしゃれに記録する
「手形アート」

現在、主な活動となっているのが「手形アートpetapeta-art®」。手か足にインクをつけてA4サイズの紙に押し、線や点を書き加えて動物やお花に見立てていきます。
海外ではすでに浸透していて、日本で広まり始めたのはうまやはらさんが始めたころ。柔らかい色合いのインク、優しい印象の仕上がり、ウエットティッシュで簡単に拭き取れ、万が一お子さんが口に入れても安全など、日本で使いやすいようにアレンジされています。
どんな作品に仕上げるのかはその人の自由。参考になればと準備するサンプルは、想像力を広げやすいようにシンプルにしているそうです。

レッスンに毎月参加して成長記録にする方、バレンタイン、父の日、敬老の日など記念日の贈り物にしたいと参加する方も。これまで、約300人のお子さんが手形アートを体験したそうです。
「手形アートともに、ぜひ写真を一緒に残してください。小さな手形や足形と、そのときのあどけない様子の写真があれば、思い返すときに楽しいですよ」
手形アートは、子どもの成長をおシャレに残せる、新しい成長の記録として注目を集めています。
お母さんもうれしくなる
「オープンスペース」

カリーニのもう一つの活動が、プレ幼稚園。春に年間日程表を発表すると、1年間まとめて予約する方もいる人気のイベントです。
現在コロナ禍のため1日親子4組に限定、利用時間は10時半~13時で出入り自由。
うまやはらさんが先生となって、朝の会から始まり、季節の歌を歌ったり、歌にのせて名前を呼んで出席カードにシールを張ったり。
今日の工作をして、自由あそび、読み聞かせ、そして終わりの歌を歌ってさようなら。
初めは表情が固まっていたり、名前を呼ぶと照れていた子どもたちも、回を重ねるごとに歌に合わせて身振り手振りをして、声を出して返事をしてくれるように。
「アトリエではしていなくても、ご自宅で私の真似をして名前を呼んだり、歌ったりしている子もいるそうです。親御さんが嬉しそうに教えてくれます」

コロナ禍前はランチタイムもありました。
ランチは各自で持参。うまやはらさん自身の経験から生まれたアイデアで、オープンスペースで自分の子どもとは遊べたけどほかの子どもやその親御さんと交流できなかったという経験から、親御さん同士で交流が生まれるようにと設けたそうです。
「話のきっかけになる話題を振ったりはするけど、親御さんが話し始めるとできるだけそっとしておくように心がけています」
プレ幼稚園の午後はとっても賑やかになるそうです。
参加者は1日4組なので、参加者は最も少なくても8人。一人で先生をするのは大変ではないのでしょうか。
「歌ったり制作したりは全く苦じゃないし、親御さんが一緒だから注意することも半分こ。かわいいわぁと思うばかりです。栄養ドリンクを飲んで臨む日もあるけど、幼稚園が始まると忘れちゃいます」と笑います。

子どもたちからは「しほ先生」と呼ばれ、親御さんには「しほさん」と呼んでもらっているとのこと。
「ママ友のように接してほしいです。そして、親御さんが少しでも息抜きができて、少しでも育児が楽になってもらえたらいいな。そういう場所にしていきたいです」と柔らかな笑顔で話します。
今後の目標をお聞きしました。
「1人でも多くの子育て中のお母さんたちの心がやすらぐ場となるように、活動を続けていきたい。お子さんが就園就学した後も、お母さんたちが、いつでも相談できる、会うと愚痴を吐き出せる、一緒に成長を見守っている親戚のおばちゃんのような存在でありたいです」
うまやはらさんのてまひま

アルバム大使でもあるうまやはらさん。
レッスンはするけどご自身の子育て写真はたまる一方で、時系列でアルバムをまとめていてはとても追いつかない! ということで、お子さんのお誕生日の写真を集めた一冊を作ったそうです。
毎年の変化や成長が一目瞭然で、見比べるのが楽しい一冊です。
ご自身のコメントも添えてあり、その時の自分の気持ちを振り返ることもできます。
ページをめくりながら、アルバムや手形アートは忙しい日々の中でちょっと足を止めて、子どもの成長や子どもと過ごす幸せを実感させてくれるものなのかも、と感じました。
私自身の子育てを振り返って、「もっとあのじかんを楽しめばよかった、あっという間のことでした」と私の心の声がポロリ。
「子育てが大変な親御さんたちに、今はしんどいかもしれないけど、ちょっとすぎると楽になるよと言ってあげたい。でも、今が大変なんだよね、って声をかけて寄り添っていきたいです」と話すうまやはらさんの声が心に響きました。
カリーニのドアを開けて、あなたの子育てのじかんを素敵な思い出にしませんか。楽しいじかんが待っています。
子育てのじかん
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