子育てライター座談会Vol.1~菌と縁はつながっている

子育てライターの皆さんと、様々なモノや情報を楽しみ、体験し、レポートをするというこの企画。第1回目は、子育てライターで、料理教室バランス生活『なみきみち』主宰の岡野陽子さん が農業をされているという噂を聞き、おなじ子育てライターである、三井祥子さんと柴田さちこさんと岡野さんの畑を訪ねました。 農業を通じて知ったのは、「菌」と「縁」の話でした。

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その土地にあるものを、
栄養として使おう

広島市安佐南区 の閑静な住宅地の中に、突如出現する整備された畑。
こちらは子育てライターである岡野陽子さん が「自然農」で作られた畑です。
「良かったら、一緒に農業の体験をしてみませんか?」とお誘いを受け、子育てライターの三井祥子さんと柴田さちこさん、お二人と伺ってきました。
「自然農」と聞いて、草木や雑草が生い茂り、うっそうとしたところだと想像していた私にとって、きれいに整備された畑にとても驚きました。

そもそも自然農とは、化学肥料を使わない農法のことだそう。雑草や草の根は、土を柔らかくし微生物の住みかになるため、必要不可欠なものの一つです。
ただ、それらをそのまま放置していては、育てたい植物の光合成を邪魔し、通気性を悪くするので、畝の草はカットし細かく切ってそのまま土の上に重ねておきます。
そうすると、土の中の微生物は強い光から守られ、土の中の水分も保たれます。

逆に畝の周り、畑全体は自然のままにしておくことで、生態系が保たれ、そこにくる虫、微生物がそれぞれの役割を果たし て野菜の成長、土の中の菌のバランス を保ってくれるのです。
今は冬で草も休眠していますが、春になるとたくさん出てきます。
伺った日は大根の種を植えました。

作業内容にはきちんとした理由があるそうで、自然農は天体の律動に従っています。
なぜなら、微生物や水の動きは月の影響をすごく受けるためです。アプリで太陽と月の位置を計測し、「では今日の作業は…」と岡野さんが指示してくださいました。
毎日の作業は太陽や月、自然から教えられることをもとに行っているそうです。

自然農歴1年という岡野さんの畑では、しっかりと芽が出て実もなっています。
畑の様子を見た柴田さんが、作物が上手に育たないという悩みを相談。
岡野さんのアドバイスは「豆類を植えたらいいですよ!」とのこと。豆を植えると根粒菌という菌が豆の根について、土が豊かになるそうです。

草をチョキチョキと細かく切って 、その草を作物の栄養にするやり方を「草マルチ」と言います。
「土の上にふんわりとのせてくださいね」と、教えてくださいました。
大変、だけど楽しい作業に、三井さんも「私も何か作ってみようかな」と乗り気に。

農業体験の最後には、白くまっすぐ伸びた大根を、柴田さんと三井さん、二人がかりで抜きました。

農作業の後は
菌づくしのランチ

「菌づくしのランチを用意しておきますね」と岡野さんから事前に言われ、ギョッとしていました。「菌」という言葉にどんな印象を持つでしょう?
出てきたのは手作りのさしみこんにゃくに、野菜汁、京風アジの南蛮漬け、発酵玄米ご飯、サラダでした。

これが菌?と不思議に思っていると、「空気中にもたくさんの菌があって、それらをより多く取り入れたご飯なのですよ」と教わりました。
こちらのランチもみんなでお手伝い。

ネギを少しあぶると、甘味が増して、とてもジューシーでした。
「野菜汁のお野菜は大きめの乱切りで。なぜならば、口の中で広がる野菜の風味を感じてほしいから」と言われた通り、一口大に切った野菜は噛みしめるたびに口の中を動き回り、口いっぱいにおいしさが広がりました。

サラダの野菜は濃厚な味わい。お出汁をひいて作っていただいたアジの南蛮漬けは、シンプルながらも深い味わいで、農作業をした体にしみわたりました。

抜いたばかりの大根は、包丁を入れると「ザクッ」とい大きな音がしました。
生のままでいただくと、みずみずしさと甘さに驚きました。
「冷蔵庫の中にある大根、水分が抜けていることが分かったわ」との話に。

ちなみに、この時用意してくださっていたお野菜は、以前コラムで書いていただいた「ふもとや」さんと、宮島の「中岡農園」さんのお野菜。コラムにもあった通り、野菜の味がとても濃く、作り手の想いが伝わるような優しい味がしました。

菌も縁もつながっている。

「菌ってね、30億年前、地球が生まれたときからあるんです」と岡野さん。
その時に生まれた菌が、人の腸の中にいるそう。
「自分の体内にあるだけでなく、野菜たちにも同じ菌がいると思うと、私たちは一緒、同じなんだと愛おしくなりますよね」
岡野さんの「菌講座」に、デザートの台湾カステラを食べながら目をまるくした柴田さんと三井さんでした。

「菌は、地球が今まで存続するため、たくさんの生き物をつないできました。そして、それらがつながって今の人間がいるんだよね」と岡野さん。
柴田さんと岡野さんは一緒に仕事をされていたり、三井さんと岡野さんは共通の知り合いが多くいたりと、子育てライター以外の部分でたくさんの共通点があることが分かり、「人と人はご縁でつながっている」ことを心から納得できた一日でした。

つながったご縁で
料理のひと工夫

時短家事コーディネーターとして活躍されている柴田さん。
実は、数年前に岡野さんと一緒フリーペーパーの特集記事で一緒にお仕事をされていたそう。
その時の内容というのが、「せいろを使った調理法」

お鍋でおみそ汁を作りながら、その上にせいろをのせ、野菜と肉、もしくは魚を蒸すことで、一石二鳥なうえにおいしくヘルシーなごはんを作ることができます。
その方法を披露したのが柴田さん、レシピ考案されたのが岡野さんでした。
せいろ料理は、野菜も魚もたっぷりとれて、それでいてヘルシー。焼くときのように油も使わず焦げることもないので、洗う際に洗剤も少なくて済む、といいことばかり。

「せいろって、そんな使い方があるんですね!」と驚いた三井さんは、その場で購入を決意されていました。

「子育てライター」
という共通点

朝の集合時の三人は初対面で、共通点は「暮らしのてまひま 子育てライター」というだけ。少しぎこちない雰囲気がありましたが、「子育てライター」という共通点があったからこそ子どもと生活、そして仕事の話で盛り上がった のだなと感じました。さらに、異業種であるからこそ、それぞれが行う仕事面での異なる視点があり、たくさんの気づきを発見しました。

今年は、子育てライターの皆さまと一緒に、広島の様々な情報をお伝えしていきます。「子育てライター」というご縁で、これからもどんどん繋がり、様々なご縁がつながりそうな予感がします。
次回もお楽しみに。

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