夢はかなうと自分で決める。方法は山ほどある。
11人の子育てのじかんライターさんを訪ねるコーナー「あの人に会いにいく」。今回は、日本で唯一の自己理解スペシャリスト、奥貴美子さんを訪ねました。奥さんと話していると、心の中にたくさん質問が立ち上がります。本当の私とは? 本質は何? すると自分の新しい一面が見えてきて、自分が輝いてくるような感覚にとらわれました。私が知っているだけではもったいない、奥さんの印象的な言葉を皆さんにもお伝えします。
ゲスト:奥 貴美子さん
一般社団法人職業セレクト研究所「親子キャリアラボ」代表。「好きは才能、才能を仕事に」を理念に掲げ、独自のメソッドで、子ども時代からの自己理解、自己実現をサポート。自分らしい選択をできるキャリア教育を実現するため、学校や家庭でできることをアドバイスする。自分の中にあるぶれない軸に気づくワークや、相手の心をつかむコミュニケーションメソッドなど教育関係者や起業家といった大人にも人気。日本で唯一の自己理解スペシャリスト。子ども職業ナビゲーター。通称クッキー先生。
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自分で気づかないと
始まらない

子どものころから、人の研究に没頭してきたという奥さん。
ファッション、インテリア、アートなど「その人らしさ」が表現されたもの、表現する人など唯一無二な存在に憧れを抱いてきたそうです。
その当時にスクラップした、素敵な大人を特集した記事を今も持っているそう。
高校生のころ、将来の夢として描いたのは、自身のセンスや感覚で活躍するスタイリストやコーディネーター、セレクトショップのオーナー。
しかし、どのような方法でその道に進めるのかが分からず、家族や学校からの理解が得られず説得することもできずに進学。
心に蓋をした毎日は、過呼吸やじんましんなど体の不調となって奥さんの心身に現れました。
「私は何のために勉強しているの?」という問題に気づき、卒業試験をボイコット。
二度と後悔しない人生を選ぶことを決心したそうです。その後は、輸入の仕事、学生の留学サポート、家庭教師、英語講師といった教育関係の仕事に就き、自身の知識やスキルをいかした仕事に取り組んできました。
このような指導経験から自分に合うやり方を知る必要性を実感し、職業選択やお金の知識などを含めたキャリア教育は必ず必要になる、と気づいたそうです。
知らないことは選べない、
知れば夢はかなう

キャリア教育を事業化するという目標を達成するにあたり、準備に時間をかけました。
自分がやりたいことをすでにしている人を訪ね起業のアイデアを探りましたが、まだビジネスとしては成り立っていない状況。
「自分でやるしかない」という気づきを得て、起業の勉強会に通い、公的な起業支援を調べます。
「実はリスクが大嫌いで、石橋をたたきすぎるくらいたたいて渡るタイプ。失敗しないためにどうするか、うまくいかせるためにどうすればいいのかを考えました」。

そして2014年7月、一般社団法人「職業セレクト研究所」として、新しいキャリア教育を提供する団体を立ち上げます。
当初の事務所は国の起業支援を利用して無料で借り、期限終了とともに新しくできたコワーキングスペースをシェア利用して費用負担を軽減。
情報収集に注力し、行動と検証をとにかく繰り返し、軸をぶらすことなくやりたいことを無理なく負担少なくかなえてきました。
やりたいことが明確になるとほしい情報が集まりやすくなり、目標を実現するための具体的な方法が見つかり選択肢が広がります。
夢が根拠のない自信で支えられたものではなく、とても具体的な目標として見えてきます。
「夢がかなわないのではなくて、方法を知らないだけ。知っているからかなう、知らないことは選べないし、かなわない。知らないだけで、手段や方法は山ほどある」と話す奥さん。
その言葉を聞いて、分かっていることなのに気づかないふりをしていた真実に触れたような気がしました。
人生にはステージがある

キャリア教育事業の構想から約10年、やりたいことに無我夢中で取り組んできました。
事業が広がり、やりたいことと同時に、やらなければならないことも増えてきました。
「それらは自分でやればできることだけど、私は本当にやりたいことなの?という疑問がわいてきたんです」と言います。
「私は何かを生み出すことが得意なんだと思います。やりたいことを実現してきて、それらを次につなげていくために育てる時期、ステージにきたのかなと感じています。人生にはステージがあって、私は今、整理整とんのとき。今の私が何をすべきかを取捨選択しているところです」と話します。

自分を知って本当にしたいことにたどり着き、それを達成したあと、以前の自分とは違う新しい自分になっています。
自己理解は一度で終わりではなく、何度も何度も繰り返して深めていくものなのかも。
将来にありたい姿をイメージできることが、進む道を迷わないコツなのかもしれません。
「私のゴールははっきりしているんです。自己理解を深めた子どもたちが何等かのプロになって、大人になったスペシャリストに囲まれている笑顔の私」と満開の笑顔で教えてくれました。
奥さんのてまひま

走り続ける奥さんの力のもとは、好きなものに囲まれて生きること。目に見えないことやもの、例えば香り、ゆらぎなどにこだわっているそうです。
入浴じかんが大好きなので、キャンドルや入浴剤も情報収集をして、お気に入りを見つけているそう。
部屋ではお香を1日に4、5本はたくそうです。
キャリア教育でもプライベートなじかんでも、やりたいことを実現することをあきらめない奥さん。
「とにかく情報収集、なければ自分でつくったり交渉して生み出したり、人に聞くことにちゅうちょしません。とにかくしつこい。家族にもあきれられています」と笑います。
何事にも“しつこく楽しむ”ことで、暮らしの楽しみももっと膨らみそうです。
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