気象予報士に聞いた「地球温暖化と私たちの暮らし」 

年々高くなる最高気温、災害級の豪雨、私たちの暮らしはこれからどうなるのでしょうか。RCC SCHOOL「山根木材 presents つなげよう!広島の森プロジェクト」の一環で7月13日に広島市立幟町小学校で行われた特別授業の内容をもとに、「地球温暖化と私たちの暮らし」について皆さんと学んでいきたいと思います。講師は RCC気象予報士の岩永哲さんです。

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未来の天気はどうなるんだろう?

7月に入ったと同時に広島では最高気温が35度を超える猛暑日になったかと思えば、突如警報が発令される程の大雨が降ったりしています。全国でも最高気温が40度を超えるような地点がいくつもありました。

このままだと未来の天気はどうなってしまうのか。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発表している資料などを元に、2100年の天気を予報してみました。

まずは暑さですが、広島では最高気温30度を超える真夏日は100年前の20世紀末と比べて58日増え、年間で120日続くと見られています。1年のうち4ヶ月近くが30度を超える暑さということになります。最高気温が35度を超える猛暑日も27日増え、最高気温が40度を超える日も発生するでしょう。

また雨も激しくなります。1時間に100mm を超えるような猛烈な雨が降る回数も増えます。24時間で200mm以上の雨が降る回数は、20世紀末と比べて3.2倍になると見られています。台風も非常に強くなるようになり、災害の危険性が高まるでしょう。

これらは今後、何の対策も行わず最も温暖化が進んだ場合の想定になります。

高温と豪雨の関係

なぜ気温が上昇すると激しい雨が降るのでしょうか。

夏によく見られる雲に積乱雲(入道雲)があります。夏の夕立を降らせる雲で、この雲の下では激しい雨が降ります。
一つの積乱雲が生まれてから雨を降らせて雲が無くなる まで、30分から1時間くらいの間です。積乱雲に含まれる水の量は25mプール約1万杯分の量です。この水を1時間あまりで雨として降らせるため、非常に強い雨になります。

積乱雲は、地表付近にある水蒸気が大量に上空に運ばれることで発達します。地表が気温上昇で熱せられたり、風が山などの地形にぶつかったりして生まれる上昇気流があると、水蒸気は大量に上空へと運ばれます。夏に積乱雲が発達しやすいのは、気温が高いことと、南の海から水蒸気が日本へと流れ込みやすいからです。
水蒸気が上空に上がっていくと、まわりの冷たい空気に冷やされて氷の粒となって雲となります。ある程度、積乱雲が発達すると、雲の中には下降流が生じるため、氷の粒を引きずり落とします。すると、氷の粒はとけて水の粒となり、やがて雨となって地上に落ちてきます。氷の粒のまま落ちてくるのがひょうやあられです。

大気の気温が暖かくなることで、大気中に含むことのできる水蒸気の量が今よりも多くなるため、温暖化によって雨の量が増えるとされています。

地球温暖化と二酸化炭素

ではなぜ 地球の気温は高温になっていくのでしょうか。その原因として二酸化炭素の増加が挙げられます。

二酸化炭素には外部からの熱を蓄えて放出する性質があります。もし地球に二酸化炭素が無いと、太陽からの熱は地球の大気に蓄えられることなくもっと寒い星になってしまいます。しかし二酸化炭素が増えすぎると太陽からの熱を多く蓄えすぎて気温を上昇させすぎてしまいます。

人の呼吸によって出てくる二酸化炭素は、元々は大気中に存在していた二酸化炭素であるため、人の呼吸によって二酸化炭素が増えることはありません。温暖化の主な原因になると言われているのは電気を作ったりガスやガソリンを燃やすときに発生する大量の二酸化炭素です。元々大気中に無かった石油・石炭など地中に埋まっていた二酸化炭素を放出するため二酸化炭素の量が増えているのです。

電気やガスがまだ使われていなかった頃は、二酸化炭素は森林や水に吸収される循環することで量が保たれていました。しかし工業が発達するにつれて二酸化炭素の量が増えるのと同時に森林が減り、二酸化炭素を吸収する量も少なくなってしまったことで温暖化が急激に進むようになりました。

森林と私たちの暮らし

森林は二酸化炭素を吸収するだけではなく、山に降った雨を蓄えて豊かな水をはぐくみ、土砂災害や洪水が起こりにくくしてくれています。森林に降った雨は地下水となり、適切な量を川などに供給します。一方で、森林の無い場所では降った雨は地表を流れ、土砂などを押し流すことになります。広島でも大規模な土砂災害は記憶に新しいと思いますが、森林はこれらの災害から私たちの暮らしを守ってくれているのです。

広島県の面積の72%は森林で、その約1/3は人の手によって植樹された人工林です。人工林は人の手で手入れをして、大きく育ったら木材として活用し、また次の木を植えることで資源を循環させています。

地球温暖化や土砂災害など私たちの生活に影響する環境問題と森は深くかかわっているのです。

特別授業の模様はこちらからもご覧いただけます。

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